羽ばたけ年男・年女 <産経新聞 2017/1/11>


  1. 若手育成、少し力入れる

自分も若い、若いと思っていましたが、60歳になる今年は、人を育てていく年にしていきたい。石原派 (近未来政治研究会)の会長もさせていただいていますが、若い方がたくさんいます。優秀ですが、自分で努力するというよりも、やはり時の首相の人気で当選しているんじゃないかと、心配になるような人もいます。これから日本を、また自民党の次の時代を担ってもらうために、人を育てるってことに少し力を入れていこうと思っています。

昨年暮れ、若い議員を3人連れて、駐日アフガ二スタン大使のところに行きました。ロシアに関するいろんな情報を持っているので、 これから日露平和条約を締結する上での注意点など、ざっくばらんな話を聞いていました。大使は個人の意見として面白い話をしてくれた。若い人たちにとっていい経験ができたし、こういう機会をもっと増やしていこうと思います。

経済再生担当という立場で話せば、(日本経済は)踊り場的な状態から少し良くなってきている感じが数字の上からは出ている。もちろん、28兆円の経済対策の効果も、これから出てくる。平成29年度予算案では潜在成長力を高めるために「科学技術」という点に立脚し、日本の強い分野にお金を付けていかなくてはいけない。

古い言葉ですが、「科学技術立国」に向けた施策を仕込むということは、長い目でみていなきゃいけないんじゃないかと思います。花が開くには3、4年かかるかもしれませんが、若手を育てることと非常に似ています。そういうことをやっていきたいと考えています。

  1. 米と信頼関係作る

米国では20日、トランプ氏が大統領に就任します。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の離脱を表明しているトランプ氏の経済政策は「USAファースト」ですから、自国の力を高めていく、国内の雇用を増やしていく・・・という政策である限り、どうしても保護主義的になりがちです。

だけど、実際、世界はグ口ーバルチェーンでつながっています。安倍晋三首相も言っているように、保護主義ではない、ブロック経済ではない、世界経済を深化させていく重要性をしっかりと伝えてかなければならないし、それができるのは日本だけじゃないかな。欧州がああいう状態ですから。

だから、首相と一緒にここの部分はきちんと説得というか、説明していくことが肝要ではないか。もちろん、すぐに理解してくれるとは思いませんが、重要性はたぶん理解してもらえると思います。

それには首相と卜ランプ氏との信頼関係と同じように、私もカウンターパー卜の米USTR(通商代表部) 代表らとの信頼関係をつくることが大切なんじゃないか。時間があれば、5月の連休にもワシン卜ンに行ければと思います。

  1. 耐える一年だった

昨年は甘利明さんの閣僚辞任で後任となったが、「ひたすら耐える」 という一言に尽きたと思います。というのは、私自身、TPP交渉に参加していません。確かに引き継ぎを受けたり、担当者から話を聞いたりしたけれども、現場にいた人間と、国会答弁するために任命された人間には当然、埋めがたい差があるのは事実です。とりわけ外交交渉であるから、公にできないことがたくさんあります。それはかなりス卜レスになっていた。

当然、丁寧に説明しなきゃいけないという点には気をつけた。それと交渉に関する情報は知っているが、言ってはいけないことが多い。野党のみなさんは、これを話せ、話せというが、話してしまうと、相手国がある話ですから、苦情がくる。実は「黒塗り」という批判を受けたTPPの交渉文書ですが、野党の票求を受け入れて、もう一回、同じ文書を出していたら、外交交渉の守秘義務の観点から、 日本ヘの信頼性の欠如につながりかねない事態に発展していたかもしれません。

当初、「石原さん、そんなに、心配しなくていい」「あんたは真面目に答弁していれば、すぐ通るんだ」と自民党の国対委員長らに言われましたが、それが承認まで10ヵ月もかかったわけですから。正直言って最後もギリギリだったんですよ。国会審議中に想定外のハプニングが起きたから。もっと言えば、トランプ氏が次期大統領になったことは本当に想定外でした。

  1. 経済一本で首相支援

来年になると、安倍首相 (党総裁) の任期がやってきます。首相がどう決断されるか、伺っていませんが、日本経済が順調な一方で、 世界が政治的に不安定な状態になれば、間違いなく、首相はさらなる再選を目指されると思います。

その時、自分が閣僚であるのか、ないのかも関係あると思いますが、今の私の最大の仕事は、経済の潜在成長力を高めるような施策を作り、税と社会保障の担当でもあるから、社会保障が持続可能であるということを国民に理解してもらうという仕事をしていきたい。

そんな中で、「ポスト安倍」ですが、私にも仲間がいますし、いろんな話がこれから出てくると思います。ただ、安倍内閣の一員として、しっかり首相を守っていくというスタンスで今年は経済一本で取り組んでいきたいと思いますね。

年男といえば、石破茂さん、岸田文雄さん、中谷元さん、そして私の4人で還暦祝いでもしようか、 と。濃いメンバーでしょ。

(畑尾行範)