トピックス

さる10月9日、北朝鮮は懸念されていた核実験を強行したと発表しました。北朝鮮の発表が事実だとすれば、実験の成否にかかわらず、今回の北朝鮮の行動は、わが国をはじめとした北東アジア、ひいては国際社会全体の平和と安全を公然と脅かすものであり、断じて容認できないものです。

これは安倍内閣が発足してから初めておこった安全保障上の重大な問題であり、安倍総理は北朝鮮のこの暴挙に対し、断固とした姿勢で臨んでいます。政府は、核実験の翌々日、10月11日には、 (1)すべての北朝鮮籍船舶の入港禁止、(2)北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止、(3)北朝鮮籍を有する者の日本への入国の原則的禁止、の3つの柱からなるわが国独自の厳しい措置を決定し、自民・公明両党の役員で構成する与党北朝鮮核実験問題対策本部もこれを了承しました。すでに実施されている金融制裁とあわせ、ヒト・モノ・カネの移動をシャットアウトすることで、北朝鮮に対しさらに圧力をかけていくためです。

10月10日には衆議院が、11日には参議院が北朝鮮の核計画に抗議する非難決議をともに全会一致で採択しました。これは国連憲章第7章に基づき、国連の安全保障理事会の決議によって、平和に対する脅威、今回でいえば北朝鮮の行動に対し、平和的な解決を模索するという決意を表明しました。

北朝鮮の核実験発表からわずか5日後の14日に国連安保理で採択された制裁決議には、非軍事的な制裁を定める国連憲章第7章41条の下で、北朝鮮の大量破壊兵器開発に関連する物資の禁輸、北朝鮮に出入りする船舶に対する貨物検査などを実施するという厳しい対応策が盛り込まれています。安保理の議長国でもあるわが国は、アメリカをはじめとする関係各国と協力してこの決議の措置を実行し、北朝鮮に対し、核兵器・核開発を完全に放棄するよう断固として要求してまいります。

わが国は日本海をはさんで北朝鮮と向き合っています。この制裁決議の成立をうけ、核兵器の拡散というゆゆしき事態を防ぐために、北朝鮮に出入りする船舶に対する検査などの役割を求められる可能性があります。しかし、6年前に成立したわが国の「周辺事態法」と「船舶検査活動法」では、かりに今回の北朝鮮の核開発がわが国の平和と安全を脅かす周辺事態であると認定されても、北朝鮮に出入りし、核兵器やその材料を隠しもっているかもしれない船舶に対して強制力のある臨検を行うことはできません。現在わが国政府はこの北朝鮮の核実験問題を「周辺事態」として認定すべく検討を行っていますが、新たに法律を整備しなめれば、そうした船舶に対し、任意に積荷の検査や行き先の変更を「求める」ことはできても、強制力をもってそうした実効的措置をとることはできないというのが日本の法制上の現状です。これでは北東アジアの平和と安全を維持するという国際社会の要請に充分に応えられませんし、わが国自身の安全を保障することなどとてもできません。言い換えれば、喉もとに突きつけられた刃を自分の手で払いのけられないのです。

今回の北朝鮮の地下核実験の発表は、わが国の安全保障に関する根源的な在り方の変更をも問いかけているのです。安倍総理は今臨時国会における所信表明演説で「世界とアジアのための日米同盟」を掲げ、アジアの連帯のためにリーダーシップをとり、積極的に貢献する日本の姿を示されました。アメリカをはじめとする関係諸国と協調して今回の事態に迅速かつ的確に対処するのはもちろんのこと、わたしたち自身の平和と安全を維持するために何をしなければならないか、深い国家的議論が現在求められています。

▲ このページのトップへ戻る