平成18年度の予算、そして税制案がまとまりました。スリムな政府、より無駄のない政府を目指す小泉改革の流れに添って、予算はスリム化。8年ぶりに一般会計の総額は80兆円を切りました。また、一般歳出も2年連続で減り、7年ぶりの46兆円台という緊縮予算です。一方、中央から地方へのお約束通り、三位一体改革の推進で国から地方への補助金を1兆3千億円余りカットし、その分の財源が地方へと移ります。景気の回復に伴って、税収も回復し、国の新たな借金である新規国債の発行額は5年ぶりに30兆円を割りました。
私が担当した道路特定財源については、大きな抵抗もありましたが、総理の指示通り、現在の税率水準を維持し、一般財源化する、との2つを前提に本年度の抜本改革の中で決定することとしました。そして、本年度予算においては、まず500億円が一般財源化されることとなりました。
わが国はついに、人口減少時代に突入しました。これはいままで誰も経験しなかった出来事です。高齢化で増え続ける社会保障費は、当初昨年度よりも8千億円の自然増が見込まれていました。診療報酬の引き下げなどで、圧縮されたものの、それでも20兆円に達し、一般歳出の44%を占めるに至っています。
税収が1兆9千億円余り増加し、予算を8年ぶりに80兆円を切るまでに抑えたといっても、いまだに80兆の歳出に対して46兆余りの税収という現状は、極めて厳しいことに変わりはありません。予想より1年早く日本の人口が減り始めた今、みこしの担ぎ手は減り、乗り手は増える一方です。改革の手を休めることはできません。少しでも無駄を省き、更にスリム化の努力をすることが求められているのです。
そして、単に無駄を省くだけではなく、このような厳しい現状の中でも、世の中を明るくする改革が求められていると、私は考えます。言い古された言葉ではありますが、「集中と選択」 無駄を省いたその分のお金を、人材を、組織を、日本を明るくすることに振り向けていくことができて始めて、無駄を切る意味が出てきます。本当の意味の改革が進むのです。
これからも引き続き、改革の手を休めず、この国に住む日と全てが将来に希望の持てるような社会を作るために全力で頑張ります。
■予算と税制の主要項目
◇少子化対策・子育て支援
- ・不妊治療に対する支援期間の延長(通算2年を5年に)
- ・出産育児一時金の引き上げ(30万円を35万円に)
- ・児童手当の対象拡大(小学校3年生までを6年生までに)
- ・小児緊急医療体制の充実(20億円を26億円に)
- ・民間保育所受け入れ自動の拡大(106万2千人を110万7千人に)
- ・出産・育児で職を離れた女性向け就職相談(マザーズ・ハローワーク)の推進(8億5千億円を9億円に)
◇住宅
- ・住宅耐震診断・耐震改修費への補助(160億円)
- ・地域住宅交付金により耐震診断、改修を促進。また耐震強度偽装事件のマンションの転居、解体に充当(1570億円)
- ・不動産流通促進減税の延長(登録免許税、不動産取得税など)
- ・1981年より前の住宅を現行の基準に合わせ改修する費用の1割を所得税から控除
- ・住宅向け地震保険料を5万円を限度に年末調整で還付
◇老後
- ・基礎年金の国庫負担割合を34.4%から35.8%に引き上げ(2200億円増)
- ・現役並みの所得のある70歳以上の高齢者の窓口での負担を3割に引き上げ
- ・助成金の見直しや字業種への指導により高齢者雇用を促進(819億円)
◇教育
- ・子供の学力を客観的に測る全国学力調査を実施(29億円)
- ・専修学校や公民館でニートやフリーターと呼ばれる若者に学習機会を提供(3.5億円)
- ・若者向け就職相談(ジョブカフェ)や自立塾の拡充(63億円)
- ・中小企業への若者の雇用を促進(19億円)
◇健康・環境
- ・アスベスト対策として、無害化実験・代替製品開発・除去への融資などを実施(30億円)
- ・治療薬・マスク・ワクチンなど総合的な新型インフルエンザ対策
- ・がん対策情報センターの設置、がん診療拠点病院の拡充、乳がん・子宮がん検診の推進などのがん対策(159億円)
◇企業
- ・ウィルス対策などのセキュリティー投資の1割を控除する制度の創設
- ・研究開発費の増加分の一部を新たに減税
- ・環境に優しい自動車の減税を継続
- ・中小企業投資促進減税の継続
◇生活衛生
- ・全国生活衛生営業指導センター事業への助成(2億円)
- ・生衛業地域生活支援(高齢者や障害者への生衛サ―ビスの提供)、クリーニング包装材料リサイクル、飲食店健康増進普及支援など(1億円)
- ・小規模企業等への設備改善資金貸し付けの特例の延長
- ・耐震改修工事やアスベスト撤去工事への特例貸付の創設
- ・中小企業投資促進減税の延長
- ・ドライクリーニング装置の活性炭吸着装置の特別償却、固定資産税軽減措置の延長
◇その他
- ・景気対策のために儲けられていた定率減税を廃止
- ・ビール、清酒を減税、いわゆる第三のビールやワインなどを増税し酒税を適正化
- ・税制再建の観点からタバコを増税
- ・相続税の物納制度を抜本的に見直し基準を明確化、手続きを迅速化
- ・高額納税者の氏名などを公開する公示制度を廃止

