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平成17年9月4日の夕方から5日の未明にかけて妙正寺川、善福寺川上流部を中心に、1時間最大100ミリ以上の激しい雨が降り、杉並区・中野区・新宿区で浸水家屋3,588戸(床上1,582戸、床下2,006戸)の甚大な被害が発生しました。今回の集中豪雨の総雨量は263m(下井草観測所・杉並区)、1時間あたりの最大雨量は112mm(下井草観測所・杉並区)にも及ぶ、過去20年間で2番目の豪雨でした。今回の洪水の推定流量は、妙正寺川が計画の310m2/秒に対し、約210m2/秒(江古田川合流点)、善福寺川が計画の260m2/秒に対し約220m2/秒(神田川合流点)でした。

総選挙の真っ只中、私は同士の応援のため地方出張に出かけていたのですが、テレビのニュースを見て、すぐに事務所に連絡を取り、できる限りの対応を指示しました。当日は私の個人演説会を開催していましたが、幸いにも降り出した時間が遅かったこともあり、帰宅途中に豪雨にあわれた方はいないとの一報に胸をなでおろしました。しかし、翌朝になると、床下・床上を含め多くの方々が水害にあわれたとの報告が、秘書から続々とあがってきました。初当選の頃、今から20年ほど前には毎年のように神田川が氾濫し、被害も大きかったのですが、環七の地下に調整池が建設されたことの効果もあって、ここ数年は水害も激減していました。しかし、今回のような想定を越える豪雨に対しては、都市のインフラが以下に不足しているかを改めて思い知らされることとなりました。

神田川の整備は、昭和40年代の始めから、1時間の50ミリの雨に対処することを目標に進められてきました。具体的には、護岸整備(河幅の拡張)を基本に整備が進められ、平成16年度末までに約55%の護岸が整備されました。さらに、水害被害の軽減を目指し、環七の地下の調節池を含む10箇所の調節池、4箇所の分水路が供用されています。東京都内の河川整備は、用地の買収や、電力・水道などのライフライン事業者との調整、また交通管理者との調整に非常に時間がかかります。また、極めて限られた空間での工事となることや、工事用の道路の確保が難しいこともあり、事業が思うように進みません。しかし、天災はいつ起きるか分かりません。今回の集中豪雨をみても、これが果たして一度限りの「天災」なのか、それとも都市における気候の変化や、地球規模の温暖化が原因となっているか、特定はできません。都市のインフラ整備には数々の困難が伴い、時間もかかるのは当然ですが、だからといって、手をこまねいていることはできないのです。

そこで、国土交通省では、河川激甚災害対策特別緊急事業という制度を設けています。洪水や高潮などにより、流出又は全壊した家屋が50戸以上、もしくは浸水した家屋が2,000戸以上におよぶ激甚な災害が発生した河川について、約5年を目途にして、緊急かつ集中的に改修事業を実施し、再び同様の災害が起こらないように、抜本的な対策を行う事業です。河川激甚災害対策特別緊急事業は、昭和51年に創設され、通常「激特事業」と呼ばれています。東京都では、昭和53年度と平成5年度に神田川が、昭和56年度に目黒川が採択されています。近年では、平成11年と15年の御笠川(福岡県)、平成12年の東海豪雨による庄内川・新川・天白川(愛知県ほか)、平成16年の福井豪雨による足羽川(福井県)、台風23号による円山川(兵庫県)など、本年は台風14号による錦川(山口県)、五ヶ瀬川・大淀川(宮崎県)が採択されています。

今回の災害は、浸水家屋3,588戸(床上1,582戸、床下2,006戸)にもおよび、また、都市河川の整備には先ほどから述べているように、極めて時間がかかることから、まさにこのような緊急かつ集中的な整備が必要です。そのため、私も都連会長として今回の地域を「激特事業」に指定し、今後5年間に集中改修を行うよう、たびたび国土交通省に働きかけてきました。

その結果、今回の集中豪雨による妙正寺川及び善福寺川の災害について、再たびこのような災害を起こしてはならないとの観点から、国土交通省は、以下の内容で事業の採択を決定しました。

1.神田川(妙正寺川・善福寺川)激甚災害対策特別緊急事業

  • 事業者・東京都、全体事業費・113億円、事業期間・平成17年度〜平成21年度
  • 事業内容・護岸整備、妙正寺取水施設、河床掘削、橋梁改築、調節池掘削等
  • 事業箇所・妙正寺川(中野区野方〜中野区中井の約3.9km)、善福寺川(杉並区大宮〜杉並区堀ノ内の約2km)

2.事業位置図

都市のインフラ整備はもう十分だと言う声があります。その分のお金を地方に回すべきだという声も、また聞こえてきます。しかし、今回の例を見るまでも無く、巨大都市は極めて災害に脆く、そのための備えはまだまだ不足しています。今後とも国民の声を聞きつつ、それを国政の場で活かして行くためにがんばります。

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