マスコミ語録

メディアに掲載された石原伸晃関連記事を以下よりご覧頂けます。

週間朝日
2000年 6/2号

インターネット世代代議士
ぶっちゃけ座談会
目指せ40代総理

六月二十五日のミレニアム総選挙は、竹下登元首相(76)ら長老議員の相次ぐ引退表明で「世代交代選挙」の様相となってきた。若手有力代議士、自民党の石原伸晃(43)、野田聖子(39)、民主党の枝野幸男(35)、自由党の達増拓也(35)の四氏が、古い政治を切り捨て、新世紀の政治への意気込みを本音で語り合った。

―小渕前首相が亡くなりました。「弔い合戦」ともいわれていますが。

野田:郵政大臣に指名してくれた恩人ですから、言葉では言い表せないほど悲しいです。

石原:密葬に行ったら、私の前にジョギング姿の初老のご夫妻が献花に並んでいるんですよ。「こんな格好で申し訳ないけど、帰って着替えたち間に合わないので」って。普通、総理の葬式にそういう格好では出られない。小渕さんは私たちが想っていた以上に、一般の入との距離が近かったんだなと思いましたね。

枝野:「弔い」といっても、都市部の選挙には影響しないと思います。むしろ、「小渕さんはいい人だったのに、森さんはひどい」と、同情が自民党にとって逆風になる可能性もありますよ。民主党としては、新総理が加藤紘一さんじゃなくて本当によかった。

達増:突然「森総理になったから、有権者は猫だましにかかった関取のような状態ですよね。早く選挙をやるのもそこにつけ込む戦略でしょうが、「弔い」は的はずれです。小渕さんほ、自民党の古い体質に足を引っ張られて志半ばで倒れたのだし、その死を今後に生かすには、自民党はいったん解党するくらいのことをすべきであって、古い体質温存のために利用するのは筋違いも甚だしいですね。

政治の行政化を完成させた竹下

野田:でも、自民党もいろいろよ。

枝野:本質は自民党というより「古い政治」ですよね。ぅちにも古い人はいます。地元では「民主党が全員いいとは言いません。でも古い人は圧倒的に少ないです」と言ってます。

一竹下氏も引退しますが、「竹下政治」とは。

石原:私は竹下番の記者時代からのおつきあいなんです。調整型のイメージばかりでいわれるけど、消費税導入に代表されるように強いエネルギーを持った人です。その源泉は権力闘争。そこをはい上がってきたすごさを感じましたね。

枝野:戦後の高度成長時代に象徴される政治スタイルの完成型ですね。優秀な政治家だと思うが、その手法が通用しない時代になっても権力を持ち続けたことが、ご本人にもこの国にとっても不幸だったんじゃないかな。

野田:女をばかにしている政治家が多いけど、竹下先生は違いましたね。若い人にもすごく関心を持っていた。あと、私はいま議運(衆院議院運営委員会)や国対(党国会対策委員会)の委員をしていますが、担当してすぐ、先輩から、「竹下国対」の極意を書いた紙を渡されました。「とにかく聞くこと」と。こざかしい女になるな、、とにかく聞けと。(笑い)

達増:今の国会は、役所の筋書きに乗って振り付けどうりに動く「様式美」の世界なんです。竹下さんは、その「政治の行政化」を完成させた人だと思います。総理交代まで制度化して、自民党内政治のダイナミズムも封じた。政治を硬直化させた責任は大きいですね。

正論であっても最後は長の一言

野田:たしかに国会運営はセレモニー的よね。先例主義で一方通行だし、この国会で法案を何本上げるという、「てんぷら屋」に徹しろと言われています。

石原:政治家も官僚化してるよね。政務次官をいまほど官僚出身者が占めたことはないんじやない。

枝野:法務委員会で少年法改正だけじゃなく少年犯罪全体の議論をするとか、厚生委員令で少子化の議論をするとか、本質的問題をテーマにしないと、政治家同士の議論にならないと思いますね。

野田:石原先生が金融国会で「政策新人類」として話題になったとき、党内でめちゃくちゃたたかれたじゃない。私は、そういうおじさんたちとぶつかるのが嫌で、あの人たちが苦手なな情報通信や環境問題を専門としてきたから楽だったのですが、どういうタイプの人にたたかれたんですか。

石原:官僚出身の人……。
あっ、これ以上言うと、また余計なことを、と言われる(笑い)。自民党って、こっちが圧倒的多数派で正論であっても、長が反対だとひっくり返せない。介護保険料の徴収先議りもペイオフ延期も大勢で反対したのに、政調会長(亀井静香=編集部注)の「フン」で終わっちゃつた。(笑い)

野田:民主党には「フン」って言う人いないの?

枝野:いるけど、少数ですから。

石原:民主党のいいところは、枝野さんみたいな人がヒエラルキーを握っているところだよね。私なんか、いま無役だから。(笑い)

枝野:石原さんがうちに来るなら政調会長のポスト空けますよ。(笑い)

一新しい政治は芽生えているのでしょうか。

石原:自民党にいていちばん腹立たしいのは、情報の入手先が役所ということなんです。政調で「これについて調べたい」と言うと、役所の人が飛んでくる。どうしても役所にとって都合のいい偏った情報になりますよね。役所との関係が濃すぎて、問題意識が摩滅しちゃうのではという不安は常に感じます。だから、枝野さんと一緒にやった児童買春・児童ポルノ禁止法めときは、役所だけに頼ちず市民団体の人たちと意見交換してつくったのよね。

達増:これからは外との連帯ですょ。いかに永田町・霞ヶ関の外に基盤をもつかが、政治家の力のもとになるんじゃないか。去年、コンピュータ二〇〇〇年問題の際、役所が消極的権限争いで対応しないか、大学や趣味の人たちのホームページ(HP)とリンクしながらネットワークを広げて、永田町・霞ヶ関をすっ飛ばして対策を練った。米国政府のパンフレットをいち早く入手して、役所の担当課に配って勉強させたり。HPが単なる広報媒体じゃなく、政治参加のためのツールになったんです。この新しいシステムを、私は「ネット政治」「e政治」と呼んでいます。

野田:私もEメールのおかげで、、外の入とのコンタクトがすごく増えました。ビジネス関係の人に会うにしても、秘書課を通すと数日待たされるけど、メールだと友達感覚。情報通信系のビッグな社長らとメール交換していますが、反応が速いから効率的だし、役所にも邪魔されない。実際、郵政大臣時代に大学教授やIT(情報技術)関連メーカーの人たち十人くらいで、メールをやりとりしながら週一回集まってディスカッションを続け、学校のインターネット接続を実現しました。

枝野:外も変わってきていて、提案型NGO(非政府組織が急増しています。かつては反対することが運動だったが、例えば今回のストーカー防止法案をつくるときも、客観的で具体的な提案が返ってきた。経団連をはじめ、あらゆるNGOがそういう方向に動きだしている。このの広い意味でのシンクタンクはわれわれにとって大きな支えです。

―次なる政界再編はどうなるのでしょう。

石原:政界再編は金融国会のときにあり得たんですよ。
「大連合」って形でね。実際、そういう動きもやったんです。あのとき加藤さんがまだ幹事長だったら実現したかもしれない。
より自民党的な人が野党にいる

野田:この七年間、私はボーッと自民党にいただけですが、みんながあまりに動いたので山がならされた感じがします。ほとんどの党が与党を経験したし、民主も自由も党首は自民出身でしょ。私より自民党的な人がほかの党にいたり、政党の境目がわからない。自民党でいやな人は少数になりつつあるし、各党から来てほしい人も多数いるから、そういう仲間がうまく集えればいいな。でもすごい大政党ができちゃう(笑い)

石原:だかち大連合をやったあと分かれないと、大政翼賛会ですよね。

枝野:民主党と自由党が、自民党を両側から侵食して二つに分かれるのが理想です。ただ、民主党にとって厳しいのは、日本はレーガン、サッチャー的な自由主義革命をやっていないこと。その後のセーフティーネットをつくるのがブレア英政権であって、後段の話だけしても説得力がないから、民主党は一度、由由党にならなきゃいけない(笑い)。民主党政権最初の二年間で自由党(的政策)をやって、後の二年で民主党(的政策)をやることになるわけ。悩ましいですよ。

達増:国会の中の改革はもうできないかも。 一方で、かつて労鋤者階級の登場で政治が大衆化し、普通選挙が広がったときに匹敵する構造変化がいま起きつつある。それが「e政治」という革命です。危機を明確にして処方箋をかけるシステムが国会の外にできれば、そっちが政治のメーンになる。右左、保守革新というイデオロギー対立を超越した再編が起こせるんじやないかって思ってます。

―森首相の「神の国」発言をどう受け止めますか。

石原:びっくり仰天。天皇陛下がいちばん驚かれたのでは。あれではひいきの引き倒しですよ。地位の重みを感じる前に総理になっちゃて、宰相論や哲学を考える暇がないのではないかな。

野田:私の大臣経験からすると、総理というのは、権力があるだけに一国会議員よりタガが強い。権力は用心に用心を重ねて守られるものだと思います。

枝野:森さんが何を考えようと構わないが、「国民に承知していただく」と押しつける姿勢が許せません。

達増:戦前の一切を単純に否定すべきではなく、良かった点を振り分けることは必要です。しかし今回は、そういう作業をまじめにしている人の足を引っ張るひどい発言。総理の資格はないし、日本政治史上最悪の総理かもしれない。

―二一世紀のリーダー像は。

達増:石原さんのお父さんの東京都知事が一つの答えですね。強いリーダーシップです。

石原:自民党という組織は総理が信頼できる議員をうまく使えないんです。野田きんが大臣に選ばれた四人の総裁枠だけ。首相公選制にして、自分のプレーンで内閣を構成するようにすべきです。

四十代総理誕生で政治が変わる

達増:本当にやりたいことをできるように、総理が信頼できる人を閣僚や副大臣にして、チームとして内閣を構成し、リーダーシップを支えるシステムにすべきです。一九六〇年代は、閣僚の三分の一を総裁派閥が占めたりしてたんです。竹下時代かち完全に総裁均衡内閣になった。それ以前のダイナミズムに戻らなきゃ。「角福戦争」とか「四十日抗争」とか、総裁選が死闘になってもね。(笑い)

枝野:私も、みんなの意見をまとめる政治から、「俺と同じ意見の人はついてこい」という政治に変わらざるを得ないと思いますね。

石原:菅(直人民主党政調会長)さんはそうだけど、鳩山(由紀夫代表)さんはみんなの意見を開くタイプじゃない?

枝野:いや、そうでもない面もあるよ……。(笑い)

野田:達増さんの親分(小沢一郎自由党党首)は、はっきりしてますよね。

達増:まだまだそのスタイルが永田町で受け入れられない生き証人でもあるわけです。(笑い)

石原:どういう社会にしたいのか、自由党以外はわかリにくいんですよね。自民党も森総理も。

達増:ロシアのプーチン大統領は四十七歳。米英もドイツも台湾も、単に若い人がトップに躍り出るのじやなく、それを支える活力ある政治システムをもっている。日本も四十代で総理になって、少なくとも五年、できれば十年間総理をやる。そうい力強い政治をしないと、諸外国に伍することはできません。

枝野:六年間総理をやってもまだ五十代、という年齢が限界だと思います。五十代前半までの総理が出てくれば、政治そのものが変わると思う。そろそろ女性総理が出てもいいですよね。

野田:でも、権限が変わらないと、だれがやっても限界があるわけでしょ。

石原:二○○一年に権限が強くなるから、変わるんじゃないですか。

野田:ポストが人をつくる面もあって、権限があればエッと思っていた人が立派なリーダーになるかもしれない。だれがふさわしいかより総理大臣がどれだけ機能できるかを私たちは考えていけばいいんじゃない。そうすれぼ、いざとなればこの四人が順番でできるかもしれないし。(笑い)

野田聖子(岐阜1区・当選2回)
福岡県生まれ、上智大卒。帝国ホテル勤務、県議を経て、祖父の地盤を継ぎ当選。第1次小渕内閣の郵政相。37歳での入閣は戦後最年少。自民党国対副委員長。
枝野幸男(比例北関東ブロック、当選2回)
栃木県生まれ、東北大卒。弁護士。地盤は埼玉5区。33歳で旧民主党政調会長を務めるなど「政策新人類」として活躍。民主党政調会長代理。
達増拓也(岩手1区、当選1回)
岩手県生まれ、東大卒。外務省職員としてシンガポール大使館、官房総務課などに勤務後、新進党から当選。「小沢チルドレン」の一人。自由党副幹事長。

4氏ともホームページやEメールを積極的に活用している

構成 本誌・木之本敬介

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