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毎日新聞
平成17年12月10日(土)
小泉改革の決算
<道路財源の一般財源化>
首相の執念 聖域に風穴
族議員巻き返し狙う
道路特定財源見直し問題は9日、政府・与党の基本方針で一般財源化されることになった。上乗せ分の暫定税率維持と合わせ、小泉純一郎首相が指示した通りの決着だ。どのような形で一般財源化を図るかなど、具体案は来年の議論に持ち越され、道路族の巻き返しも予想されるが、脈々と受け継がれてきた「聖域」に風穴は開いた形だ。

基本方針決定前に開かれた自民党総務会。出席者から「道路の改良率は国道9割、地方は6割というが、何をもって改良というのか」など、今なお道路整備の必要性が高いとの発言が出た。だが、反対意見はなく基本方針はあっさり了承された。
特定財源見直しを主導したのは、小泉首相が政策決定の要に据えた中川秀直政調会長と、反対派のサンドバッグ役として中川氏が指名した石原伸晃・元国土交通相だ。党内手続きの過程では、当然のように「必要な道路を造る予算を獲得するのが我々の原点だ」などの反発が噴出したが、その「はけ口」は中川氏のもくろみ通り石原氏に向かい、それ以上は高まらなかった。
反対派のエネルギーは、中川氏が党の調査会長に任期制を導入したことで削がれていた面もある。道路族の有力者である古賀誠元幹事長が、長年務めた道路族の牙城・道路調査会の会長から外されたからだ。公明党との調整でも、暫定税率引き下げをにじませたい同党に対し、中川氏が「首相官邸の意向だから譲れない」と突っぱねるなど、中川氏サイド主導での調整となった。
それでも、石原氏は党内調整が大詰めを迎えた6日、片山虎之助参院幹事長を訪ね「反対が多くて細かいところまで決めるのは難しい」とこぼしている。片山氏から「小泉総理の任期中に決めた方がいい」と励まされると、石原氏は「来年6月に決めようと思う」と応じ、半年程度をかけて具体案を作成する考えを伝えた。
結局、基本方針はその通り、一般財源化への具体的道筋には踏み込まない内容となった。首相に近い若手議員は「これでよく中川さんは納得しましたね。不思議だ」と首をかしげるが、議論に参加した別の若手は「今パンドラの箱を開けてしまうと、収拾がつかなくなる」と先送りの理由を解説した。
党税制調査会との協議など幾つものハードルがある中、一気に突っ走れば、かえってマイナスになるとの判断もあったようだ。「総理は(一般財源化への)つばを付けておきたかったんだろう」と、参院幹部は基本方針の意図を推測した。
基本方針では、具体案は来年取りまとめることになっている。パンドラの箱を開け切らなかったことがどう影響するか。閣僚経験のある道路族議員は「方針は一般財源化を『含めて』検討するという意味であり、決着したわけではない」と第2ラウンドでの巻き返しをうかがっている。
【谷川貴史、高山祐】

