マスコミ語録

メディアに掲載された石原伸晃関連記事を以下よりご覧頂けます。

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アカデミーヒルズ
ポリシースクール
公開セミナーリポート

「新世代・総理宣言」
第1回
石原伸晃大臣に聞く
「自立した福祉国家
を目指せ」

2001年11月1日(水)

モデレーター
参議院議員・山本一太
ゲストスピーカー
石原伸晃
行政改革・規制改革担当国務大臣

山本:全国1,000万の短波ラジオファンの皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。今週、この瞬間からスタートいたします「新世代・総理宣言」。これは抵抗勢力を吹っ飛ばし、長老支配を吹っ飛ばし、とにかく中2階は全部吹っ飛ばして、新しい世代の総理大臣をつくっちゃおう、という大変野心に満ちた番組です。私はナビゲーター、モデレーターを務めさせていただきます山本一太。これでも一応参議院議員でして、ユースケ・サンタマリアに似ていると言われています(笑)。

武田:番組アシスタント、なんちゃってキャスターの武田あかりです。

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山本:このセミナーを主催しているのは、森ビルの文化事業部の主催するアークアカデミー・ポリシースクールです。そのポリシースクールの一環ということでお送りします。この会場をリスナーの皆さんにお見せできないのが残念です。

武田:すばらしいですね、この夜景。

山本:こういうところで政治の会をやるというのは、すごく新鮮。普通は公民館とかホテルなんですが、今日はアーク森ビルの36階から百万ドルの夜景を見ながら、セミナー並びにこの放送をお送りしていきたいと思います。
「新世代・総理宣言」は、未来の総理候補、それも10年とか、20年じゃなく、5年くらいのうちに日本の総理になるかもしれない新進気鋭の若手議員の方々を超党派でお招きして、国家ビジョンについて語ってもらうというものです。この国をどう変えるのか、自分が総理になったら何をするかということから、子供のころの夢まで、人間像に迫りたいと思っています。
第1回目のゲストは、おそらく我々の世代では次の総理に向けてのトップランナーである、行政改革担当・規制改革担当大臣の石原伸晃さんです。

石原:皆さん、こんばんは。何か全然雰囲気が違って緊張します。ラジオの生本番だとは知りませんでした。

山本:これは相手の意表を突くという番組なんです。さて、では友情に厚く、男気にあふれた石原伸晃さんをお迎えして30分お送りしていきたいと思います。まず、ここで石原大臣のプロフィールをご紹介したいと思います。

武田:石原伸晃さんは神奈川県ご出身で、昭和32年4月19日生まれの牡羊座、44歳。慶應義塾大学卒業後、日本テレビ記者を経て、平成2年、衆議院議員に初当選されました。政策新人類の先頭に立って活躍され、平成10年秋の国会では金融再生法の成立に力を尽くされました。平成13年4月より行政改革担当及び規制改革担当大臣に就任されました。信条は「練習は不可能を可能にす」。資格は小型船舶1級。1男1女のパパであり、お父上はあの石原慎太郎都知事、叔父様はあの石原裕次郎さんです。

山本:では、伸晃さんにうかがってまいります。まず最初に特殊法人改革、大変でしょう。

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石原:大分打たれてきまして、顔もちょっと変わってきたでしょう(笑)。
しかし、国民の皆さんが小泉内閣を支持しているということは「どんなことがあってもやれ」、「無駄があるところは無駄を省け」ということではないかと思います。天下りしていくつか特殊法人の社長を渡り歩くと、退職金などを合わせて何億円になる人もいる。こんなことは国民感情からも、厳しいリストラの進む社会情勢からいっても納得がいかない。これを変えていくためには、特殊法人は原則廃止、民営化する。総理と一緒で、打たれれば打たれるほど闘志がわいてきている今日この頃です。

山本:力強い言葉ですね。ただ、ここに来て抵抗勢力の圧力がかなり強まっているのではないですか。

石原:先輩方からいろいろな電話をいただきますよ。「しかし、先生、我々は行革屋ですから、無駄があれば無駄があると言わざるを得ません」とお答えしています。

山本:そういう中で貫けますか。もちろん貫いていただかなきゃいけないんですけれども。

石原:たとえば、道路公団の問題でも、小泉総理も私も道路をつくらないと言っているんじゃないのです。一回立ち止まって再検討すべきだと言っている。9,342キロの計画ができたのは1987年です。1985年のプラザ合意で円の価値がどーんと上がり、1ドル240円くらいだったものが160円くらいになった。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本がベストセラーになった。アメリカはそのころは落ち目で、「何で日本のシステムはこんなにうまくいくんだ」と首を傾げていたころです。

山本:そうでしたね。

石原:それまで地道につくってきた計画を、「『ジャパン・アズ・ナンバーワン』か、それならば道路もナンバーワンだ」と言って、ばーんと計画を広げたんです。その後、90年に冷戦が終わって、国境を超えた競争になりました。経済が自由になると、日本の人件費は高いですから、安い人件費のところに製造業が移っていく。空洞化が起こる。バブルが破裂する。そのなかで、日本がこれから世界で一番だというときにつくった計画を続けようとしている。今やそんな体力も能力も余裕もないのにね。ですから、どれとどれが本当に必要なのか、もう一度考えて、メリハリをつけてやっていこうというのが小泉総理の言う構造改革です。

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山本:なるほど。伸晃さんは私たちの世代の代表であり、誇りなんです。これを突破したら、派閥を超えて伸晃さんを応援する人が相当集まるんじゃないかと僕は思っています。自民党の中の族議員の先生たちが騒いでいるようですが、伸晃さんは、小泉総理とともにこれをやり抜く、100%を目指してやり抜くということでよろしいでしょうか。

石原:はい。私は実はこの3年間、お腹まで冷えちゃうくらい冷や飯を食べておりましたが、これがすごく勉強になりました。正しいと思うことを言い続ければ、道は開ける。先輩たちからは「君らの言うことは正論かもしれないけれども現実は違う、どうしようもないお坊ちゃんたちだな」としかられましたけれど、その結果、今がある。やはり国民の皆さんがよくなったと実感できるものを、絶対に勝ち得るくらいの粘り強さを持って、事に当たらせていただきたいと考えています。

山本:みんな応援していますから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
では、武田あかりの質問を1問挟んでから国家ビジョンにいきたいと思います。

武田:なぜ俳優ではなく、政治家になろうと思われたんですか。

石原:一太さんみたいに歌がうまかったら、歌手にでもなろうかなと思ったんですけれども(笑)。やっぱり私は子供のころから人前で話をすることが好きだったのです。学級委員の選挙にはいつも出る、そういう性格ですし。

武田:立候補されたんですね。

石原:ええ。大人になって国政選挙に立候補したときは、90年、バブルのさなかです。アメリカとソビエトが手を握るみたいな激動の時代です。日本も政治的にかなりスキャンダルがあって激動していた。当時は32歳でしたが、激動の時代は若い人間が無鉄砲に何かできるんじゃないかと立候補させていただいた。議員になって最初の3年半はずっと政治改革、政治改革、こればっかりでした。それがハプニングが起こって、自民党が分裂して選挙になった。2度目の選挙はほんとうに苦労に苦労をしましたが、当選させていただいた。そういう人生を歩んできています。
そこで培ったものを21世紀の日本の国家ビジョンに活かしていきたい。小泉さんがやろうとしている改革を国民の皆さんが支持しているのは、「今のままじゃ日本はじり貧だな」と多くの方が思っているからです。そういうときに、自分の思っていることをこうやって言わせていただく。また、制度としてつくっていくことができる。
若く意欲的な政治家と手を携えて、この国の新しい形を国民の皆さん方にお見せしたい。そんな気持ちでいっぱいです。

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山本:うれしい言葉ですね。
日本をどういう国にしたいか、優しい国なのか、チャンスの国なのか、思いやりの国なのか、どういうイメージを持たれていらっしゃいますか。

石原:国内的に言いますと、やっぱり「自立」だと思うんです。国民一人一人が自立する。国としても自立する。キーワードは自立だと思います。ただ、この自立という言葉は、聞きようによっては非常に冷たく聞こえます。「自立できる人はいいよね。おれたちはやっぱり、どこかにすがらなきゃ生きていけないんだ」という方々もいらっしゃる。そういう人たちに対しては、最低限のことは国がしっかりと面倒をみるというセーフティーネットをしっかりつくっていく。
今までは、どんなに努力しても、ちょっと努力しても、そこそこ努力しても、大体同じような人生を歩める社会だったと思いますけれども、やはり国境を超えた競争が行われるこれからの社会では、10努力した人、8努力した人、6努力した人によって生活に違いが出てくるのは当然です。
一人一人が自立するに従って、政府の役割は必然的に少なくなっていく。小泉さんが言うように、「民間に任せられることは民間に、地方にゆだねることは地方に」という形で分業を進めていく。国家主導型の経済から脱皮して、マーケットメカニズムが作用する社会をつくっていく。これは先進国が絶対に一度は通らざるを得ない道だと私は思います。

山本:「民主導の経済、自立した個人と国家」ですね。もし、明日、総理大臣になったら何を最初にやられますか。

石原:不良債権の処理です。不良債権を処理すれば景気が悪くなるんじゃなくて、この問題を越えずして日本の発展はない。銀行の不良債権、過剰債務に終止符を打つ。敗者も出るでしょうが、敗者復活のチャンスがある経済社会をつくりたい。

山本:不良債権の話が出ましたが、日本経済はかなり厳しい状態にあります。一歩間違えると、日本経済はクラッシュするんじゃないかと心配しています。どう舵取りをされますか。

石原:昨日もアメリカの財界の方と話をしましたが、アメリカのエコノミストや経済界の方は、テロがあったけれども楽観的ですね。「アメリカ経済は、2002年の夏までには底を打って成長過程に乗る」と大体の方が言われます。

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日本経済はやっぱり今年、来年は厳しいと思います。小渕、森内閣時代、不良債権を処理するための仕組みもできていたし、経済環境も今よりは良かったのに、結局、先送りしてしまった。今のような土砂降りのなかで不良債権処理をするのは確かに厳しいことですが、やらなけりゃもっと悪くなる。
もちろん、デフレスパイラルに陥らないように緊急避難措置を講ずる必要はあります。しかし、環境が厳しくなると、「暖かくしましょう、ぽかぽかした陽気にしましょう」という声が必ず出てくる。確かに公的資金を投入すれば、一時的にはぽかぽかしてくるんです。需要がないところに需要をつくっているわけですから、当然です。
しかし、その暖かさがずっと続くかというと、すぐまた土砂降りになっちゃう。そんなことを繰り返す余裕は日本にはもうない。そんなふうにして負の遺産を先送りにしてはいけない。
私や一太さんの世代は、団塊の世代とドライかつ保守的な世代の間で、優しいユーミン(松任谷由美)世代です。ドライで自己責任で生きる世代が中心になるときまでに、我々の世代が負の遺産をきれいにしてバトンタッチする。それが役割じゃないかという気がしています。

山本:ありがとうございました。あっという間に時間が来てしまいましたが、この番組ではゲストの方に最後に叫んでいただくことになっています。次の3つのうちから選んでください。「総理になって何々をやるぞ」、「必ず日本のリーダーになるぞ」、「必ずもう一度この番組に出るぞ」(笑)

石原:やっぱり「もう1回出るぞ」と言わせていただいて、併せて「特殊法人改革もやるぞ」と言わせていただきたいと思います。

山本:それでは、お願いしたいと思います。「新世代・総理宣言」by石原伸晃!

石原:「番組に出るぞ」(笑・拍手)。

武田:「新世代・総理宣言」、そろそろお別れの時間となってまいりました。一太さん、あっという間でしたね。

山本:そうですね。一般の人たちには、政治家同士の友情ってわからないんじゃないかなあ。だから、こういうノリで話しているということを伝えられただけでも、意味があったような気がするんですね。

武田:私、政治家の方って宇宙人かと思っていたんです。でも同じ人間だったんだって。伸晃さんも(笑)。

山本:我々は優しい世代なんですよ。

武田:優しい世代に任せたいですね、総理大臣。

山本:それでは、山本一太のオリジナル曲、日本とアジアの大切さを歌った曲「エイジア」を聞きながら、第1回目、終わらせていただきます(拍手)。

山本:それでは、これからいよいよ石原大臣との一問一答です。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Q:投資銀行に勤めています。いつ倒産してもおかしくない財務状態の会社がかなり多いなかで、本当に不良債権処理ができるのでしょうか。また、具体的にいつからどのようにして処理作業を始めるのでしょうか。

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石原:これは非常にセンシティブな問題で、国内でもいろいろな意見があります。総理は「つぶれるものはつぶれなければおかしいのではないか、再生できるものは再生するのではないか」と言っています。民事再生法などもできましたからね。
経済状況が悪いなかでは、体力のない人が重荷を背負って生きていくことはできません。これからの時代は、どんな産業でも事業環境とか社会環境の変化によってままならなくなることはある。そうした場合は市場から一度撤退する。復活できる仕組みがあればいいのであって、過剰債務のままで生き続けることのほうが実はおかしいのです。
ゼネコンは債権放棄という名のもとに損切りしました。企業が甦るために「負債の8割をカットしましょう。その代わりどれだけのものを払ってください」という形ならいいんですけれども、決算を越えるためにとりあえず切れるものを切っただけ。だから、次の年に経済の状況が悪くなったら同じ問題が起こる。この繰り返しなのです。
ですから、やはり過去の負債は一度切る。その結果、会社がつぶれても、ファンドがその会社を買って再生して売る、そういうふうにならなけりゃいけないと思います。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Q:先ほど新しい日本の国づくりはマーケットエコノミーで行くということですが、環境問題と分配の不公正という2つの失敗をどのように克服すればよいとお考えですか。

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石原:環境問題の解決には新たな規制をつくる必要があります。デファクトスタンダード(事実上の標準)をとったものが世界で勝利していくことは明らかになりました。日本の製造業は労働賃金の安い中国などに生産現場を移していますが、こうした国は環境意識が低いところが多い。ですから、たとえば自動車にしても、リサイクルのスタンダードを日本がつくり、世界に広げていくべきではないか。世界で一番リサイクル率が高くて、環境負荷が低い車をつくれば、次のステージの競争に勝っていくことができる。
廃棄物にしましても、環境JISみたいなものをつくって、それに適合したものはリサイクル市場で販売できるようにしていく。そういうことによって、環境を新たなビジネスチャンスにしていくことを考えていかなければならない。
もうひとつの「分配」の問題は非常に深刻です。格差を縮めるために、我々はどう支援したらよいか。それは少なすぎても行きすぎてもならない。アメリカはパレスチナに対して非常に厳しいスタンスをとっていますけれども、パレスチナ諸国に対する援助額はアメリカが1番なんです。金銭的なものでこの格差を是正していく以外、今はその一歩先の妙案というものはないのではないでしょうか。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Q:行革改革は、ある意味で、人間の保守的な気持ちとの対立だと思うんですけれども、保守的なマインドを持っている人たちを、どう元気づけていくのかお考えをうかがいたい。

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石原:行政改革は経済に対して負荷を与えないんです。無駄を省くというのが行革ですからね。たとえば、公務員が民間人に変わるということをなぜマイナスとするのか。逆に民間人になることでハッピーになることもある。
行政改革は実は痛みを伴わない。無駄を省けば、お金がほかのことに使える。77の特殊法人に、一般会計、特別会計合わせて5兆3,000億円の公金が出ています。防衛費が5兆円ですから、それより多い。それを概算要求レベルで約6,000億円カットした。それを違う分野に使えることは非常にプラスなことですし、道路公団の民営化で、国民の負担を少なくしようというのは当たり前なことです。高速道路だけで年間3,000億円の税金を入れているのです。
また、皆さんは簡保の宿は安くていいと思われるかもしれませんが、簡易保険から年間400億円くらい補填しているのです。「それだったら保険料を下げてくれ」という人だって本来はいてもいいはずでしょう。あるいは、労災病院に労災で入っている人は5%しかいないのに、労災保険から年間200億円くらい入っています。こうした無駄を省くのが行政改革なのです。
また、ハローワークは無料ですよね。コンピュータで検索するシステムが入っていて、職種とか収入とか年齢をインプットしていくわけですが、中高年ですとオミットされて終わり。しかし、民営化して一回幾らと料金を取ったら、もっと真剣にその人に合った仕事を探しますよ。「あなたの場合は収入条件をこうすればこうした仕事もあります」といったきめ細かいアドバイスもするようになるでしょう。
皆さんはご存じないかもしれませんが、職業能力開発大学校というのがあるんです。大学じゃなくて雇用の大学校。失業者の再就職のための学校かと思ったら、高校卒業の人が入っている。大学と同じ資格を取れるんです。そこに何億円という金が流れているのです。それだったら大学と一緒になればいいじゃないですか。雇用保険がこうした形で使われている。それを整理していくのが行革ですから負荷はかからないのです。
私、よく言われるんです。「あんたは経済至上主義者じゃないか、すごい冷たいやつじゃないか」って。一太さんはご存じのように、私は義理と人情と浪花節で生きている人間ですから、そこのところは誤解ないようにお願いいたします。

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Q:道路公団の民営化の問題が、今、高速道路計画のあり方に収れんされてきています。石原さんとしては、自民党の中でどういうふうに考えていらっしゃるのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。

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石原:この話はみんながいろいろなことを言うから盛り上がったんです。そうじゃなかったら、大多数の国民が「高速道路料金は高い、安易に値上げせずに合理化して安くしろ」と思っているんじゃないでしょうか。それができるなら、民間会社がやろうが、道路公団がやろうが、正直言うと国民の大多数の方はどっちでもいいと思っているのではないかと思います。
そうした国民感覚に立って考えると、今のままのシステムではやはりまずい。高くなってしまう。たとえば、道路公団の職員は8,000人くらいいて、4,000人くらいは技術者です。技術者は道路計画に基づいて単価を出す。で、「この予算で工事をしてくれ」とゼネコンに投げる。ゼネコンは言われたとおりの規格でつくる。しかし、経済状況次第で人件費も変わるわけです。「その計画通りやったけれども人件費が高くなった」と言うと、その分を上乗せして払う。普通の民間会社ならそんなことはしません。コンサルタントなどに依頼して適正かどうか評価するでしょう。そういうことをしないのです。そこに大きな無駄がある。
皆さん、きっとびっくりすると思うんですけれども、国道や県道を買う用地買収費より、道路公団が高速道路を買うときの収用費は1.5倍から2倍高い。私、道路公団に「なぜか」と聞いたんです。そうしたら「昔からこれは普通より高く買っていたんです」と言う。本当ですよ。それで「何で昔から高く買っているんですか」って聞きました。「それは早く売ってもらうためです」と。でも、10年間、土地の値段は下がっている。地価が上がっていたときは高い価格を提示する効果はあったでしょう。しかし、地価が下落しているときは早く売ったほうが得ですよね。それなのに、過去そうしているからと1.5倍から2倍で土地を買っているのです。
高速道路をつくっているところを見てください。びっくりしますけれども、セメントの厚さが異常に厚いです。どんなところでもフル規格です。民間なら交通量を勘案して何車線にするか検討するでしょうが、親方日の丸だから全部フル規格です。
道路公団をどうすればいいかについては私なりに考えがあります。しかし、調整役の私がこうやれ、ああやれって言ってしまうと話がまとまらなくなります。そんなわけで、いままでお話しした当たり前のことが解決できるような形に変える、という抽象的な言い方でしかお話しできないのが残念です。

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Q:環境問題についてうかがいます。日本の食糧自給率は29%です。地球に何か起こって、世界的に食糧が不足したときに一番リスキーなのは日本じゃないか。一方で、京都議定書の問題を見ても、日本とかアメリカが環境先進国であるヨーロッパの足を引っ張っているような言動が目立ちます。また、フロンとか、オゾン層問題とか、森林問題とか、ダイオキシンもかなり深刻です。経済、経済という話がありますけれども、もっと足元を見つめることが必要なのではないかと思いますが、いかがですか。

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石原:私は環境に興味があって、ずっと環境委員会の筆頭理事をやっていました。ドイツのごみのリサイクルや高濃度の核廃棄物処理場なども視察しました。ドイツは核廃棄物処理について100年間、国の責任において2,000メートルくらい地下の石灰層のところに貯蔵して、州兵が警備している。日本は野ざらしです。
皆さん方も近くに廃棄物処理場がつくられるというと大反対しますが、だったら今のように電気を使い放題に使う生活を、変えていかなければいけない。環境もよくしたい、快適な生活もしたいというのは無理です。このままいったら、原子力発電所をあと20個つくらなければいけないんです。そういうことをしっかりみんなで認識しなけりゃいけません。
オイルショックのとき、本当にネオンが消えたし、テレビ放送も11時くらいでやめた。そのくらいやった経験がある。ほんとうに環境のことを考えるんだったら、それくらいの心構えが必要だと思います。私は不便を我慢するべきだと思う。
電力会社の人に言うんです。「もう原発は無理だ、今の環境からいくとこれ以上はつくれないぞ」ってね。発電量は電力のピークに合わせるわけですから、簡単なことを言うと、寝ころがってアイスクリームを食べながらクーラーをがんがんつけて甲子園を見ているとき、ピークになる。それに合わせて発電所をつくっている。皆でそれをやめて、うちわで頑張っちゃう、パタパタパタッと。そんなストイシズムが大切なんです。私自身はストイックな生活が大好き。子供のころ、おばあさんに「明かりを消して歩け」と言われて、今でも家で明かりを消して歩いてるほうですから(笑)。
あとごみで一番多いのはレジ袋です。ペットボトルだって、ドイツでは4回使っている。くすんでいるけど、気にしない。でも、日本人は絶対だめなんです。ちょっとでも傷があったら、これ、傷があるからって封を切ってなくても取りかえに来るというんです。そういう意識をやっぱり変えなきゃ環境は守れない。

山本:伸晃さんがストイックだということが判明しましたね。環境問題については政府の対応を批判し続けている河野太郎さんがおりますから、ご意見をいただきたい。

河野:環境部会長代理で環境事業団を絶対廃止しようと思って頑張っています。
僕は、環境問題を考えると、リサイクルしたり、環境を修復するコストを物の価格に乗せていかなきゃだめなんだと思います。ストイックなのもいいと思いますけれども、ストイックな人はそうたくさんいませんから、やっぱり無駄にいろいろなことをやると金が余計かかる。だから倹約しよう、そういう戦略かなと僕は思っています。
ストイックじゃない河野太郎でした(笑)。

石原:太郎ちゃん、今日は短いな。もうちょっと言ったほうがいいよ。

山本:ちなみに、河野太郎ちゃんがなぜここに来ているかというと、もしテロがあって、伸晃さんが総理の緊急対策テロ本部の会合にとられちゃったときのピンチヒッター(笑)。普通だったら考えられない無礼なことなんですが、ジョージタウン大学の後輩で親友ですから、お願いしちゃいました。では引き続きどうぞ。

石原:こっちのほうがおもしろいんじゃない(笑)。

山本:こっちを番組にしたほうがよかったですかね。では次の質問をどうぞ。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Q:「自立」という言葉ですが、私自身、都市銀行にいまして、そこをやめてベンチャーの立ち上げに参画し、今また新しいビジネスをやろうと思っているところです。自立は負の面だけじゃなくてプラスの面もあるんだという話でしたが、そもそも自立するということは、特に何か変わることではないと私は思っています。むしろ自立することでリスクをコントロールできるんじゃないかと思います。その辺をもっとどんどん言っていったほうがいいのかなと思うんですが。

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石原:先ほどは時間内に収めようとして説明が短くなりましたが、その後があるんです。私は目指すべき国家像として「自立した福祉国家」ということをいつも言っています。しかし、1割くらいは競争社会からこぼれてしまう。この人たちに「自立しているんだから何にもしない」というのは、日本の村社会の中でよくないんじゃないかと思っています。
非常にポジティブなご提言をいただきまして心強いんですけれども、何で言いにくいかというとやはり冷たい感じがするからなんでしょうね。「勝者の理論じゃないか、自分が自立できるからそんなことを言えるんだ、俺たちをどうしてくれるんだ」と言う人がたくさんいる。この国はやっぱり社会主義なんです、そういうところは。
金融機関だってそうです。いわゆるコンボイ・システム。一種の社会主義ですよね。それじゃ立ち行かなくなったというのが、今の日本なんじゃないでしょうか。
自立を強め、マーケット至上主義を強めると必ず反動が来ます。世界を見てもそうです。ニュージーランド、オーストラリア、イギリスもそうです。しかし、この間、ブレア政権のカウンターパートの大臣と話をしてきたんですけれども、サッチャーがやった方向は微調整はあっても変えないと断言していました。日本では小泉さんがサッチャーみたいな役目なんですけれども、必ずしも全員が行革に賛成しているわけではない。
過去、自民党と社会党が対峙してきたというけれども、2つとも施しの政党なんです。「景気が悪くなった。よっしゃ、わかった」。「何?失業しちゃった。よっしゃわかった」、それが政治だと思っている政党なんです。すなわち、国が全部面倒を見てやろう、困っていたら助けてあげようと。そういう生い立ちがあって、そういう考えの人たちもまだまだいるから、抵抗勢力という形で顕在化してくるんじゃないかなという気がします。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Q:中選挙区制についてお考えをうかがいたい。

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石原:今回の試案について言うと、3人区を入れる、これは説明がつかない。2人区まではなんとか説明がつく。2人区は、すなわち行政区が割れていて、首長さんとか、県会議員とか、市会議員よりも小さいところで選ばれている。だから行政区を元に戻せという理屈はつきます、制度自体の矛盾はありますけれども。ただ、3人区を2つつくるというのは、どんなに屁理屈を探しても見当たりません。だからつぶれちゃったんだと思うんです。
私は、さっき言いましたように、当選して3年8カ月は、政治改革、政治改革ばかり言っていました。途中で、この議論が選挙制度に特化されてきて、これはおかしいなと思いました。中選挙区の弊害はありますけれども、広く民意を吸収できる選択肢がたくさんあるわけです。自民党の中でも、私もいれば一太さんもいるし太郎さんもいるみたいな選択ができた。
しかし、小選挙区というのは1つを選ぶ制度です。しかも、比例代表並立制なんていうのは世界で2カ国くらいしかやっていない。これはおかしいというので、「選挙制度はやっぱり中選挙区のほうがいい」と言ったら、今度は守旧派だと言われまして、2度目の選挙は厳しかったです。でもやっぱり今でも私は中選挙区のほうがいいと思う。
その一つの理由は、議員になれるはずがない人が比例で議員になっているんですよ。一太さんは直接選んでもらっているんですよ、県民の皆さん方に。それがやっぱり民主主義の根幹。しかし、お金をかけて比例の名簿に入って選挙をやっている人がいる。そういう人が一番威張っているのはやはりおかしい。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

Q:不良債権処理の具体的な方向をお答えください。

石原:債務超過の企業に金融庁がこれから検査に入ります。企業のメーンバンクは全部わかっていますから、自己査定が正しいかどうか、これからわかってきます。情報公開法の世界ですから公にしなきゃいけない。公になればつぶれる企業が出ます。このなかには非常に大きな企業もある。その社会的影響をどう考えるかという問題が次に出てきます。検査をしていけば問題は明らかになってくるわけですから、検査をするかしないかでこんなにもめたんじゃないでしょうか。

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Q:プライベートなことですが、私は、石原さんと山本さんと河野さんの友情に興味があります。エピソードがあれば知りたいです。

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山本:これは私からお答えします。お世辞を言うわけじゃないんですけれども、石原さんはすごくチャーミングな人です。最初、私が当選してお会いしたときから、かなり有名でした。お父さまのこともあったし、石原軍団が応援に来たこともあったりしてね。小泉さんが最初の選挙に出たときに一緒に応援しました。参議院は私だけで、ボスに怒られましたが。総裁選挙が終わって、京都の財界人に呼ばれて小泉純一郎と石原伸晃さんと京都へ行ったとき、新幹線のなかで3人くらい女性が「小泉さん、サインしてください。応援してます」とか言ってきた。学生が来て「小泉さん、大ファンなんです。サインしてください」。その後、伸晃さんに「伸晃さんですね、サインしてください」。私は待っていたんですけれども、何も言われなかった。以来、ずーっと、石原伸晃さんを熱いまなざしで見ているんです(笑)。

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伸晃さん、最初に会ったときは佐藤B作みたいな感じだった(笑)。ところがポストが人をつくるのか、どんどん進化して本当に格好よくなっていった。金融政策新人類のときもそうだし、大臣になってからも格好いいです。
この間の参議院選挙のとき、厳しかった私の選挙区に何回でも入ってくると言ってくれて、涙が出るほどうれしかったし、2年前に勝手にやったインターネット総裁選挙のときも夜中の12時に来てくれました、一太さんがやってくれていることだからと。
派閥のえらい人から電話がかかってきて、「何でうちの派閥は入っていないんだ。あんたのお気に入りを選んだんだろう」と言うから、「そうです」と答えたんだけれど(笑)。伸晃さんはやっぱり人間としてチャーミングなんです。だから新世代総理のトップを走っていってもらいたい。短く言うとそういうことです。

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河野太郎は、一言で言うと盟友です。ジョージタウン大学で初めて会ったんですけれども、めちゃくちゃな男でした、最初から。現地の外国人に一気飲みを教えて、それで一切お酒が飲めなくなったんですよ、倒れて。むちゃくちゃな男ですが、男気がある。当時、韓国の学生で、在日の学生が精神的におかしくなって、河野太郎が病院にアポイントをとった。ところが彼は病院に行かなかったんです。太郎ちゃんはものすごく怒った。そのエピソード以来、人間としても非常に気に入っています。
もうひとつ、ジョージタウン大学のクリスマスキャロルの大会に出ました。私が指揮をしたんですが、1人だけ3オクターブはずれているやつがいるんです。河野太郎だったので、河野太郎を外して出場したら優勝しました(笑)。
まあ、そのほかにもいろいろなことがありますが、私は伸晃さんみたいな旧世代と新世代をつなげる人、あるいはめちゃくちゃだけど損得抜きに突っ走る河野太郎みたいな人が結局は総理大臣候補として残るんじゃないかと思っています。
ということで、そろそろ時間になりましたが、最後に太郎ちゃん、一言。

河野:クリスマスキャロルのことは一生忘れませんよ。大学の先輩、後輩の関係はどんなに努力しても変わらないんですね。先輩はずうっと先輩。ただ、一緒に海外出張なんかに行くと、必ず勘定書は僕のほうに回ってくるというのは、僕のほうが年上に見られるのかなと思ってシャクなんですが。本当に一太さんにはお世話になりっぱなしで、ありがとうございます。

山本:太郎ちゃん、いいコメントでまとめていただいてありがとう。伸晃さんの友情に感謝しつつ、第1回のセミナーを終わります。

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●モデレーター:山本一太(参議院議員・自由民主党)
1958年1月生まれ。渋川高校卒、中央大学法学部卒。米国ジョージタウン大学大学院(国際政治学)修了。国際協力事業団(JICA)、国連開発計画(UNDP)ニューヨーク本部勤務を経て1995年7月参議院議員に当選。参議院自民党副幹事長、自民党遊説局長等を歴任後、1999年10月第2次小渕内閣の外務政務次官に就任。現在参議院外交防衛委員会、国際問題に関する調査会理事、自民党外交副部会長、青年局次長、教育・文化・スポーツ関連団体委員長等。
ホームページ : http://www.ichita.com
E-mail : ichita_yamamoto@sangiin.go.jp

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●アシスタント:武田あかり(タレント)
趣味はファッションコーディネート、メイクアップ、スノーボードetc・・・。薬剤師の資格を持ち、AFT色彩コーディネーター2級。現在、NHK教育テレビ「まちへとびだそう」出演中。

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