マスコミ語録

メディアに掲載された石原伸晃関連記事を以下よりご覧頂けます。

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女性セブン 2001年 5月31日号

石原伸晃大臣が命懸けで挑む「特殊法人」利権の闇

あなたの年金、郵貯、簡保など国民の財産、何と240兆円が「天下り官僚」たちに 喰いつぶされている

小泉政権が誕生し、政治の世界が少しづつ変わろうとしているいま、その手腕を期待され行革担当相に任命された石原伸晃氏は、「特殊法人」の見直しを真っ向から掲げた。

日本の構造改革はこの問題抜きには考えられないのだが、その実態は、ほとんど国民に知られていない。

民間金融機関と同様に、いやそれ以上の“不良債権”をかかえるといわれる特殊法人の利権の闇と、政・官・民の癒着の構図を探った。

「特殊法人とは何か、簡単にいえば“お化け屋敷”だとぼくは思っています。内部が関係者にしかわからないからです」

小泉内閣の“目玉”公約である行政改革を直接的に推進する立場である石原伸晃行政改革担当大臣(44才)がこういって首を傾げる。特殊法人って何?という前に、もう少し石原大臣の話を続けよう。

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「特殊法人は77あり、そこに注ぎ込まれた国民資産(年金・郵便貯金・簡易保険など)は累計で240兆円もあるんです。それらは、さまざまなストック(社会資本)になっています。しかし、その国民のお金が本当に効率的に使われているのか、もう一度チェックしなければなりません。隠された焦げ付きだってあるはずです。“お化け屋敷”の裏側に何が隠されているのか、その真実はまだぼくにだってわかってないんです」

つぎ込まれた国民の資産240兆円は有効に使われているのか。残念ながら、それは期待薄である。この特殊法人、とにかくダーティーな話には事欠かないからである。

そもそも特殊法人とは何なのか?日本道路公団、国民金融公庫、宇宙開発事業団なども特殊法人。77の中にはあのNTTやJR各社に、日本たばこ産業(JT)も含まれている。松原聡・東洋大学経済学部教授の説明はこうだ。

「特殊法人の定義は“設立根拠法”でその存在が規定されている会社のこと。ひと言でいえば、“政府の子会社”。国家公務員の数は法律で定められているため増員できない。そこで、半官半民の特殊法人を設立して国の仕事を肩代わりさせてきたのです」

要するに、公務員が増えてばかりいると国民が文句をいうから、特殊法人という集団を作ったということらしい。その結果、どういうことになっているのか。

「民間会社なら赤字が続けば倒産します。各省庁にだって、国会などのチェックがはいります。ところが特殊法人には、このシステムが欠けています。一応、所管の省庁がチェックすることになっていますが、特殊法人の幹部は当該省庁からの天下りかほとんどですから、チェックも甘くなるのです」(松原教授)

特殊法人のデタラメぶりを暴露する

たとえば国土交通省が管轄する日本道路公団。そもそも道路公団は高速道路の建設費が償還されれば、通行料を廃止、つまりはタダにするはずだった。ところが、タダになるどころか値上がりするばかり。『特殊法人は国を潰す気か』の著書があるジャーナリストの千葉仁志氏はいう。

「人口が少なく、明らかに採算の取れない地方にまで高速道路建設を決定、償還期限を先送りにしたのです。すでに公団は26兆円もめ借金もの借金を抱えていますが、それでも計画を見直しせず、高速道路を造ろうとしています」

国民の資産がどんどん蒸発しているのである。

ただし断っておくが、何が何でも特殊法人は「悪の金食い虫」と決めつけているわけではない。特殊法人が国民の生活向上に寄与してきたことも事実だ。たとえば住宅都市整備公団(現・都市基盤整備公団)。住宅事情の悪かった時代に安価な住宅を大量に供給し、住宅難解消に役立ってきた。だが『特殊法人と国家ププロジェクト』などの著書もある藤岡明房・敬愛大学経済学部教授はこう指摘する。

「現在では民間も国民が購入できる価格内のマンションを供給するようになりました。一方で公団は都心部から遠くて狭い売れ残りマンションを抱え、おまけに賃貸物件は民間より高くなっているから空き物件も目立ち、現実には負債化しています」

しかし、特殊法人は潰れない、縮小もされない。14兆円もの債務残高を抱えていた住宅都市整備公団にしても、都市基盤整備公団に衣替えして、しぶとく生き残っている。77の特殊法人のうち、すでにあげたものを含めて、少なくとも11は即刻廃止すべきだと、千葉氏は指摘している。そして、平成11年度の財務省の資料によれば、この11のうち、8法人の債務残高だけで約77兆円にものぼる。

さらに特殊法人は、こんなデタラメをやっている。特殊法人のトップに、天下りした官僚が就任することは知られているが、こんな事例を前出の千葉氏は明かす。

「典型はT氏。通産省官僚から経済企画庁の事務次官まで務めた人物ですが、退官後は特殊法人の地域振興整備公団副総裁を務め、その後も特殊法人の海外経済協力基金副総裁になっています。現在は特殊法人ではない組職に落ち着いていますが、彼が通産省退官後に手にした金額は数億円ともいわれています」

特殊法人の副総裁クラスの月収は150万円以上といわれる。

しかも、天下りを繰り返す度に1000万円単位の退職金がはいる。特殊法人在職4年で2000万円以上の退職金を手にした天下り官僚がいるほどだ。

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左のイラストでも示しているが、日本道路公団が26兆円、都市基盤整備公団が14兆円の債務残高、つまり、借金を抱えていることは前述した。一般企業ならとっくに破綻しているはずだ。

ところがだ。その裏に狡猾としかいいようのない素顔が潜んでいる。たとえば日本道路公団。千葉氏がいう。

「道路公団のOBたちで作った団体に“道路施設協会”という財団法人が'98年までありました。
サービスエリアの占有権を持っていて、それをレストランなどに貸して莫大なテナント料を吸い上げている。売り上げは'94年度だけでも480億円にもなっています。それを原資に道路の点検補修などをする孫会社を67社も作り、公団OBの天下り先として確保していたのです」

テナント収入480億円に対し、施設協会がサービスエリアの占有料として公団に支払った金額は45億円! ボロ儲けというしかなく、これでは占有権を与えた公団側にも、債務残高を減らす意思はまったくないとしか思えない。やがては自分たちも天下りする協会や孫会社の利益を優先していたからだろう。

批判を受けて'98年10月に道路サービス機構とハイウェイ交流センター(いずれも財団法人)に分割・改組されたものの、天下りを受け入れている状況は変わっていない。また、分割を機に競争原理を導入するとの説明がなされたが、実質的な競争が2つの法人で行われたとはいい難いのが現状だ。そもそも民営化のメリットは、消費者マーケットの厳しい選択眼にさらされながら競争によってコストを削減し、かつ高品質なサービス・製品を提供できるということ。赤字になり、事業が継続できなければ倒産だ。政府をあてにする組織には、この考え方が決定的に欠落している。

さらにこんなことをやっでいるのは道路公団だけではない。
「“日本総合住生活”という株式会社があります。住宅都市整備公団(当時)が50%以上を出資して作った会社で、公団住宅の塗装工事などの仕事のうち約50%も受注し、100億円を超える経常利益を出していた時期もあります。しかも、その役員の半数が公団OB。さすがに談合疑惑、独禁法違反の旋いが出て公正取引委員会が立ち入り検査を行ったほどです」(千葉氏)

しかもこんな子会社が特殊法人全体で1200社もある。あまりにも野放図というしかない。
本州四国連絡橋公団もひどい。年間通行料収入は約844億円しかなく債務残高は4兆円にも膨らんでいるにもかかわらず、今後も6本の長大架橋建設を計画中なのだ。

また、私たちの老後の生活にも影響する年金福祉事業団(4月から年金資金運用基金に改称)のデタラメぶりも目に余るというのは、この問題を追及するジャーナリストの岩瀬達哉氏だ。同事業団は厚生年金や国民年金の掛け金を運用、その運用益を年金の財源とする目的で設立された機関。ところが現実はといえばこうだという。

「年金原資が年間1000億円も浪費されているのです。厚生労働省は厚生年金会館や、グリーンピアという名称の宿泊保養施設など、全国191の関連施設を運営していますが、これが大赤字。たとえは、“グリーンピア土佐横浪”という施設は、'94年度だけで2000万円近い赤字を出しています。こうした施設維持費や職員の人件費など、年金給付以外の目的で消費された金額が年間2000億円超。私が調べた'61年から計算しても、失った年金原資は4兆3000億円にもなるのです」(岩瀬氏)

そして、ここにもうひとつのカラクリがある。流用されているのは国民年金と厚生年金の掛け金で、公務員の共済年金の掛け金だけは流用されずに残っているというのだ。

「昨年、年金法が改正され、厚生年金の給付額は5%カットされることになりました。年金支給開始年齢も段階的に引き上げられ、現在40才以下のサラリーマンは、65才にならなければ、満額支給されないことになりました(現行は60才支給開始)。これについて政府は少子化、高齢化が進んだため、そうしないと年金財政がパンクすると説明していますが、実際はわれわれの年金額を削ってまで天下り先を維持・拡大しているのです。国民は政府のいうことを信用せず、もっと実態を勉強して怒るべきです。こんなデタラメを許していれば、それこそ本当に年金が破綻しかねません」(岩瀬氏)

将来的にはいまよりも掛け金を増やしたり、公的資金導入、すなわち、私たちの税金を使って対応することになるかもしれないわけだ。

改革には女性の支援が必要だ

実は、特殊法人への批判が高まる中、'95年にも特殊法人の見直しは行われている。しかし、石原大臣が反省を込めていう。

「あのときは、とにかく数を減らすことばかりに焦点があたってしまい、中途半端なところがありました。数を減らすだけでは充分ではないんです。今回は民間でできるものは民間に委ねるという小泉首相の原則を徹底し、思い切って改革します」

バブル崩壊により、銀行などの民間金融機関の信用失墜も裏目に出た。藤岡教授が指摘する。

「というのも、特殊法人の運営予算は、郵便貯金、簡易保険や年金の積立金などが原資になっていました。これが財政投融資という名称で特殊法人に分配されていたわけです。つまり、民間金融機関の信用が失墜して郵貯に資金がシフトした結果、財政投融資の資金まで増えてしまい、そのぶん、特殊法人への分配も増えてしまったのです」

この10年だけで、特殊法人に流れた財政投融資は総額約120兆円。これがカンフル剤となって景気回復が期待されたが、結果は逆。ますます景気は悪化した。ここにも特殊法人の限界が示されている。

「特殊法人の債務残高以外にも、税金で穴埋めする赤字額は3兆7000億円('98年度)。つまり国民ひとりあたり3万円以上の負担になりました」(千華氏)

結局、国民の血税が無駄な特殊法人に垂れ流されているのだ。

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そのため今年度からシステムを変更。別表にも示したように、新たな財政投融資のシステムが作られた。郵貯や年金積立金は金融市場で自主運用することになり、一方の特殊法人は「財投機関債」という債券を発行することで事業資金を調達しなければならなくなったのだ。これによって、財政投融資の特殊法人への垂れ流しがなくなる、という発想に基づく。

さらに与党3党は、今国会に「特殊法人改革基本法案」を提出している。これが通れば、特殊法人の見直しを行い、5年以内に廃止か民営化か、あるいは独立行政法人化するかを決定することになる。松原教授が指摘する。

「これによって、すべての特殊法人は姿を消します。しかし、それで問題が解決するわけではありません。というのも独立行政法人とは実に中途半端な存在で、官のチェックははいりにくく、民間企業のような責任体制もない、ということになりかねないのです。つまり現在の特殊法人と変わりがない。完全に廃止するか、民間にするか、徹底的に明確にすべきでしょう。ただ、そこで抵抗してくるのが政(政治家)・官(官僚)・民(業界・労組)の既得権益を守ろうとする勢力。特に特殊法人の巨大労組や官公庁の巨大労組など連合傘下の主力労組は、自らが既得権を守る側に回っています。これらを打破するには、相当な努力をしなければならないのです」

またジャーナリストの田原総一朗氏もこう指摘した。

「行革を断行すれば、フィクサー、裏社会の圧力などの妨害も考えられる。表に出てこない部分でのそういう妨害に対して、石原さんは一身をかけて、それこそ命懸けの改革が必要になってくるでしょう」

これまで、誰もまともに手がけようとしなかった利権の巣窟ともいぇる深い闇に石原大臣は真っ向から挑もうとしているのだ。その石原大臣はこういう。

「たとえば皆さんは“郵貯は安全だから”と貯金していますが、その資金が回り回って特殊法人に使われているんです。皆さんと、決して無縁ではないんです。行政改革という言葉を、みんな知っているようで、実態は何なのか知らないですよね。うちの小学5年生になる娘は、“お父さん、なんでお魚の大臣になっちゃったの?”と話しています。“行革”を“魚獲”と勘違いしているのです。でも、行革は決して他人事ではありません。皆さんも、家計の無駄をなくすために、1円でも安いものをと苦労されていると思います。その厳しい目で、“行政に無駄はないか”チェックしてください。6月には、特殊法人などをどう整理するかの方針を皆さんに提案するつもりです。
皆さんの応援がなければ、改革は不可能でず。ぜひ積極的に議論に参加してください」

多忙の合間を縫って本誌の緊急インタビュ−に応じてくれた石原大臣。それも女性のバックアップに期待するからだ。ぜひ特殊法人の問題に耳を傾けてもらいたい。それが子供たちも安心して暮らせる国づくりの第一歩になるのだから。

(写真および図表資料提供:女性セブン)

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