メディアに掲載された石原伸晃関連記事を以下よりご覧頂けます。

財界
2000年 8月8日号
未来の首相候補に踊り出る
「自民党の明日を創る会」
石原伸晃に直撃
「総選挙に負けたのに勝った、大健闘といっている自民党執行部はおかしい」と、田中真紀子氏、渡辺善美氏ら若手議員と「自民党の明日を創る会」を旗揚げした石原伸晃・衆議院議員。総裁選では独自候補を立てるというが。
離党や民主との連携は考えず
父・石原都知事とも一線画す
―このたび石原さんが代表世話人となって「自民党の明日を創る会」を発足させましたね。どんな経緯があったのですか
石原:これは、ある意味では自然発生的なんですよ。このままでは自民党や日本の政治が駄目になる。そして、コンサバティブという一つの軸の中でこの党を改革していかなきゃ駄目だという思いを持った人間が集まったわけですね。
―離党、あるいは民主党との連携という形はとらない?
石原:私は二十数年間自民党の中にいますが、それだったら平成五年の一番厳しい選挙の時に外へ出て、自民党をやっつけましたよ。それを私は踏みとどまったんです。いま、みんな戻ってきているじゃないですか。出ていった人はみんな失敗しているんです。私はそんな馬鹿なことはしませんよ。
今度の選挙結果を見ても、決して民主党に政権を任せようという結果じゃないですよ。ある意味、自民党以外であればよかったわけです。政党が民意を吸収できなくなっているんじゃないですか。
―「創る会」では独自に総裁候補を出すことまで決めたとか。
石原:それは、そういう心意気を持っていこうということです。今回、我々は失敗しました。小渕さんが急に亡くなったから、ナンバー2の森さんが総裁になるのは仕方ないかなと思ったんですよ。それでもやっぱり、両院議員総会をちゃんと開いて、他に誰も出ないのかという確認をルールどおりにやらなかったのが間違いですね。今回もYKKのみなさんをはじめ、わりとすんなり「森続投」で了承することとなりましたけれど、これも間違いだったと思います。
―森政権がいまの激動の時期にどれだけの仕事をやるか、見えにくいですね。
石原:森さんも棚ぼたのような形で急に就任しましたから、これから何をやるかによって総理としての評価はまた変わってくると思います。急になりましたから、十分な政策を打ち出せない点は仕方がないと思います。
―この次の総裁選では、田中真紀子さんを候補に担ぐのですか。それとも石原さん本人が出る?
石原:全然わからないですよ。誰が出るかもわからないし、森さんがまた出るかもわからない。政治状況によって全然違ってくるんじゃないですか。少なくとも私は、これまでに小泉(純一郎)、小泉、加藤(紘一)と三回担いできて、三連敗していますので、次に担ぐ時は勝ちたいですよ。
―ところで石原慎太郎・東京都知事を中心とする都市型政党の噂もありますけれど、連携するのですか。
石原:親子といえども、国政と都政という違うフィールドで働いていますので、何ともいえないですね。ただ、いまの都政のようなスピードは国政にはない。スピードをもって行動するということが、いま求められているんだと私は思いますよ。
長銀譲渡の瑕疵担保特約は金融再生法の理念を逸脱
―ところで、懸案となっていたそごう問題は、国(預金保険機構)を含む銀行団の債権放棄による自力再建から、一転して、民事再生法適用で決着しました。最終的には自民党の亀井静香・政調会長のそごう経営陣に対する働きかけが効いたとされますが、いったんは国が債権放棄に応じた形でしたから、政治の迷走を印象付ける成り行きでした。石原さんは当初から債権放棄に否定的でしたが、一連の動きに対する見方は?

石原:まず、そごう側が出してきた再建計画自体に無理があったんですね。そもそも再建計画に合理性があるんだったら、新生銀行が債権放棄に応じる可能性もあったと思います。融資元であり最も内情に詳しいはずの銀行(新生銀行)が、経営者が変わったとはいえ、債権放棄に応じないということでも、この債権計画は非常に甘いものであったことがわかるし、加えて百貨店という業態ですから、国民つまり消費者の理解が得られないようでは再建はできないわけですよ。実際、再建放稟によって税金を投入される百貨店というイメージができてしまい、それ以後は急激に売り上げが落ちてきていました。国民は明らかにそごうに対してノーだと言っています。
今回、亀井さんの動きはちょっと豪腕でしたけれども、このことによって、そごうも救われた。そごう側にとってみれば、渡りに舟だったと思いますよ。
あのまま突っ走っていっても再建できませんから。遅かれ早かれ行き詰まって、会社更生法か清算か、民事再生法の適用になるところを、ひとまず政治のカで民事再生法となって、そごうの側もほっとしているんじゃないですか。
―そもそも旧長銀(新生銀行)をリップルウッドに売却する際に、貸出債権が二割目減りすれば預金保険機構に売却できるという「瑕疵担保条項」を盛り込んだわけですが、これは間違いであった?
石原:私も金融再生法に携わった議員の一人ですが、この瑕疵担保条項は、再生法の理念を逸脱しているわけですね。こういうものは欧米にはありません。二次ロスというのはうまくいかなかったらどうしても発生してくるものです。二次ロスが発生した時は「ロス・シェアリング・ルール」といって、一つの銀行だけが得するんじゃなくて融資している銀行全部が新たに発生する二次損失分を分担し合おうという形になるんですが、それをしないであんなものをつくった。なぜつくったかというと、それは護送船団方式の名残だと思いますよ。
結果として新生銀行だけが得するようなルールをつくったこと自体間違いだと思います。それなのになぜつくったかというと、結局、行政の人たちは護送船団方式に慣れていましたからね。東京、あるいは日本という広場で商売をやっていて、金融当局は「みんなやるんだからやれ」といえばいうことを聞くと思ったから、あんなルールをつくったんだと思います。だってこの問題については与党の中でまったく議論していないんですよ。「こういうものをつくりました」という事後報告があっただけですから。
―すでに契約を結んでしまった分は仕方ないにしても、今後の案件ではこうした瑕疵担保条項を排除するべきだと
石原:ええ。たしかに新生銀行や日債銀については、契約時にすでに特約があったわけだから、それをなくすということは難しいかもしれません。けれども、今後こういう問題が発生しないように欧米のロス・シェアリングみたいなしっかりとしたルールをつくり直していく必要があると思います。
大事なのは共通の土俵で物事が動くこと
―この件では、すでに行動を起こしている?
石原:はい。党内の金融問題調査会と財政部会で働きかけていますけれど、この問題は、そごうで一件落着ではなく、その先があるわけです。
―そもそも今年四月に施行された民事再生法も、石原さんらの働きかけで実現したという経緯がありますね。
石原:そうです。これは破産法制の整備を進めなくてはいけないということで、金融再生トータルプランの前に不良債権流動化トータルプランというものをつくって、三年くらい前に私たち若手議員が大騒ぎしたことでようやく法務省がスピードアップして、この四月一日から施行されたものなんです。
しかし遅いんですよ。我々にカがあれば、その時にパッとできますが、上の人たちにずっと説明していって、さらに行政とやり合って法律をつくっているんだから。でも、あそこで我々が騒がなかったら、民事再生法だってこんなに早くはできなかったと思います。
―一方、そごう問題では取引業者の連鎖倒産を防ぐ手立ても視野に入れる必要があるのでは?
石原:これはそごうの倒産問題とは別に、雇用問題とかそちらの切り口なんじゃないでしょうか。大きいからつぶれない、というほうがおかしいですから。経営を失敗したらつぶれるんですよ。統制経済じゃなく自由主義経済なんだから。
そこで雇用問題が発生したら雇用対策を行えばいいし、もしも中小企業でつぶれなくてもいい会社がつぶれそうな事態であれば、何らかの手を打てばいい。むしろ国が面倒をみますよという考えのほうがおかしいんだと私は思いますよ。大事なのは、共通の土俵、ルールで物事が動いていかなくてはいけないということです。
