メディアに掲載された石原伸晃関連記事を以下よりご覧頂けます。

毎日新聞
2000年 7月24日号
<争点・論点>
自民党再生
立ち上がりが遅すぎる
政界再編へまず大連合
先の総選挙結果を受け、自民党内でも党再生論議が起きている。口火を切った「自民党の明日を創る会」の石原伸晃代表世話人と総選挙総括と、自民党、自公保連立政権の問題点を分析、再生策を採った。現状分析では大いに一致するところもあったが、「明日を創る」妙案はまだ見いだせない。
■深刻だが反応鈍い
松田:今回の総選挙は自民党にはかなり深刻な結果となった。だが党内の反応は鈍い「自民党の明日を創る会」を石原さんらは発足させたが、遅すぎる。
石原:数合わせだけを目的に強引に公明党との選挙協力を進めた結果、自民党はメルトダウン(炉心溶解)が起きている。にもかかわらず総括も十分に行われていない。選挙協力でのきしみを解消しないと、自民党はもっと大きな痛手を受けることになる。
松田:公明党との選挙協力を今後どうしていくのか。「創る会」としてのスタンスは固まっているのか。
石原:関西選出議員は継続を望んでおり、逆に東日本選出者は反対している。
自民党が過半数を獲得できない以上、連立政権はやむを得ないが、その選択が自公保で正解なのか。連立と選挙協力は別物で分けて考えるべきだ。今回の協力は見合い前の顔写真交換だけでいきなり結婚したようなもの。自民党は縮小再生産の過程に入っている。
松田:自民党の、特に都市部での敗因は何か。

石原:都市政策がないと指摘され、執行郡は公共事業費を都市部に重点的に配分すると主張しているが、これも間違い。赤字を垂れ流したまま公共事業を拡大することに都市部の選挙民はうさん臭さを感じている。民主党が課税最低限の引き下げを言い出しながらも、腰が定まらずフラフラしてくれたから助かったが、重税にあえぐ40から50代のサラリーマン層には所得がありながら所得税を納めていない国民が1000万人以上いることに不公平感を抱いている。償金を増やし現世御利益だけをばらまく現状の体制に国民は危機感を抱いている。
松田:自民党の反応が鈍いのは、執行部に権限が集まりすぎていることも大きな要因ではないか。
石原:私は当選4回。会社で言うと部長クラス。執行部の意向に配頗せざるを得ないのかもしれないが「創る会」に入った4回生はたった3人。これまで政治行動を共にした仲間も出世のためのエスカレーターに乗った気分。サラリーマン化している。
松田:21世紀を乗りきるには既得権の調整に着手せざるを得ない。ところが自民党はそれに最も抵抗する政党との印象が強い。
石原:補助金と既得権だけで生きている団体の支持を取り付け、自民党は延命を図ろうとしている。
松田:派閥の力が大きく後退、執行部へのチェックが十分ではない。
石原:党の要であるはずの幹事長を誰が、どう決めているのか私にも分からない。しかも野中(広務)幹事長、鈴木(宗男)総務局長と高圧的な頭ぶれがそろっているので引き締め効果はより強くなっている。
派閥が人事権の再配分機能しか持たなくなり、領袖も人事権を握る執行部を敵に回すことが出来なくなった。総主流派体制に戻ってしまった。
松田:YKKの加藤(紘一元幹事長)、山崎(拓元政調会長)両氏は、なぜあっさり折れたのか。
石原:角福戦争時代なら、福田(赳夫元首相)さんは、「やせ我慢しろ」とメンバーを説得したが、今は派閥メンバーのポスト欲を領袖も抑えきれない。そのくせ、領袖を総理・総裁にしようと腹の底から思っている人もどれだけいることやら。
松田:それではYKK棚上げ論が浮上する。
石原:YKKも今行動を起こさないと政治改革改拳の時、守旧派のレッテルを張られたようなことに、またなってしまう。当時はYKKも若かったが今や社長クラス。ミスしたら、取り戻す時間はない。そごう問題では、加藤さんは「白紙撤回」を主張、乾坤一擲の勝負に出たが政局でもやるべきだ。
松田:実父でもある石原(慎太郎・東京都)知事の都政をどう総括するか。
石原:政治家だけでなく、官僚も、企業家も責任を取らない。そんな無責任が当たり前の世の中で、唯一決断し、責任をとろうとしている父の姿勢に都民の多くが賛意を表しているのだと思う。都知事が大統領制に近いスキームとなっている点も父には幸いしている。
松田:政治システムが悪いなら、首相公選制などを導入すべきではないか。
石原:システムの問題と政党の枠組みに限界が来ている点と両面から考えなくてはならない。政界再編をやらなくてはならない。公選制で国民から直接選ばれた首相の下での内閣となれば人事権者も明確で官僚制度もきちんとする。
松田:望ましい政界再編とは?
石原:この国には明碓な対立軸がないから2大政党制にはならないと思う。再編の第一歩は共産党を除く政党でまず大連合を作り、任期の4年間で構造改革を進めることだ。それを進めるうちにグループが形成され、次期総選挙では協議離婚が成立、三つぐらいのすっきりした政党に分かれる。
松田:自民党にあって、石原都知事とは最も対極的な加藤さんのグループに入ったのはなぜか。
■父と逆の道目指す
石原:都知事と加藤さんとの問で政策的調和点を見いだすことは出来ない。私が昨年8月、加勝さんを総理・総裁にしようとグループに加わったのは財制、金融、社会保障など重要な政策で加藤さんは自分の考えを打ち出せる貴重な政治家だと思ったからだ。それと肌合いだ。うちの父は剛腕で、政策などは官僚やブレーンの仕事で、責任を持って決断を下すのが政治家の仕事と思っている。そうした中で育っているから私は逆の政治家を目指している。
松田:自ら総理・総裁を目指す時期ではないか。
石原:我々の「創る会」には、誰も総裁選に出ないなら一丁やってやろうと決意を囲めている人間は私を含め結構いる。「創る会」はまさに「梁山泊」だ。
松田:参院選を森体制で戦うのは苦しいと多くの自民党議員は言う。ならば、暮れに総裁選を前倒しすべきだと主張したら。
石原:来年の省庁再編が一つの理由にはなるかもしれないが、参院からそうした声が聞こえてこない。「創る会」にも入ってくれない。滅び行くものの定めかもしれない。
松田:せっかく「創る会」を発足させたのだから、自民党改革に向け息の長い行動を続けてもらいたい。
石原:全員そう思っている。キャラクターはそれぞれ飛びすぎているが、押しつぶされないよう頑張る。
