コンパス

石原のぶてる's オピニオン・羅針盤(コンパス)

平成10年8月号
派閥に挑戦し国民重視の政治へ
―変革に全力を注ぎます

自民党は何故敗北したのか

自由民主党は残念ながら先の参議院議員選挙で歴史的な敗北をしてしまいました。東京都でも2議席を失いました。その責任をとって退陣した橋本内閣の後をうけて、おこなわれた自民党の総裁選挙で、ご存じのとおり、小渕恵三新総裁が誕生しました。
私は、参議院の選挙の敗北は、橋本内閣の経済政策の失敗に対する国民の批判票が多かったと思いますが、それに加え、自民党のおごりなどがその原因だと考えています。また、このたびの、自由民主党総裁選挙でお気付きになった方も多いと思いますが、依然として、自民党のなかには数の論理、派閥の力学が先行しているようです。その結果、国民のみなさまが望む政権とは180度違った政権を誕生させてしまいました。
私は、3年前の総裁選と同様に、小泉純一郎候補を応援しておりましたが、第3位というご期待にそえない結果になってしまいました。私たち若手の議員の力の無さを知り、みなさまにお詫びするとともに反省しなくてはならないと思います。

派閥を離脱して、今

しかし今回の総裁選挙を通じて、私は新しい同志を得ることもできました。彼らは派閥の論理や締めつけに屈することなく、自分の主義主張をつらぬくタイプの若手議員たちです。私のほか、数名の議員たちが派閥の論理に抵抗して、派閥を離脱しました。私と志を同じくする彼らとともに、国民のみなさまの意を大切にする党を築いていきたいと考えております。これからの政治は派閥にとらわれず、開かれたなかで、自らの主義主張をしていかなければ、降りかかる数多くの難問をのりこえていけないと思います。

日本経済再生のために

さて、いま私たちが真先にやらなければならないことは、日本経済の再生です。そのためには、数多くの障壁があるのも事実です。
バブル崩壊のあと、多くの不良債権が残されました。その担保となった土地は塩漬け状態、不動産の売買も完全に停滞しています。この資産デフレともいうべき現状を解決しなければなりません。また、勤労者が働く意欲が持てるような税制体系をつくることも必要です。それに加えて、日本の企業が元気になって、国際競争に勝てるような環境づくり、つまり法人税の引下げなどもしていかなければなりません。

与党、野党の立場をこえて

これらの難問を前にして、政治状況が不安定では対処することができませんが、その一方で流動化したこの政局に対して、解散総選挙を望む国民の声が数多くあることも事実です。いろいろなことに留意しながら、難局を乗り越えていくことが必要なのです。
わたしは、これまでやってきた税制改正、税制改革のための「税制調査会」の筆頭幹事の立場で、税制改正を実行してまいります。また、「金融再生トータルプラン特別調査会」の事務局長としてとりまとめた“日本の金融再生のトータルプラン”を法律案のかたちで絶対に通さなければなりません。このような経済状況では、国に入ってくる税収が本年度は約2兆円も予定より少なくなってしまいます。そのためには補正予算も組まなければなりません。そのほか、日米の安全保障にかかわるガイドラインなど、問題はまだまだたくさんあります。これらの山積みする諸問題を与党、野党の立場をこえていま、真剣に考え、解決すべきだと思っています。

総選挙で国民の審判を

政治の空白をつくることなく、いまの日本経済の病巣ともいわれる不良債権、金融不安を解消する。そのための枠組みだけはきっちり作って、早い時期に総選挙で国民のみなさまの審判をあおぐ、この気持ちでやっていかなければならないと思っています。
自民党は残念ながら国民のみなさま、党員のみなさまの考えるリーダーを党の総裁にすえることができませんでした。これは私の力不足、国民の声を謙虚に聞き入れる姿勢が自民党議員の多くに足りなかった証拠ではないかと思います。国民の声を聞き入れることができなくなった政党は、生き長らえる事は許されません。小渕さんに批判票を投じた190人の仲間とともに、私は自民党の再生にむけて、全力で活動を続けていきたいと思います。

どうぞ、ご支持、ご支援、ならびにご批判を賜りたいと存じます。

一刻も早く金融再生トータルプランの実施と税率の引き下げを

この7年間、ずっと低調つづきの日本経済の元凶である金融機関の不良債権を推定してみると総額81兆円にものぼります。これは日本の国家予算の一年分を上まわる額なのです。
この不良債権こそが日本経済を停滞させ、成長をはばんでいます。金融機関自体がこのような厳しい状況のため、企業や商店を営む国民のみなさまが、営業資金として銀行から借りようとするときに、いわゆる“貸し渋り”をされてしまうわけです。

この問題を一日も早く解決することなく、日本経済の回復は絶対にありません。これまで、「金融再生トータルプラン推進特別調査会」の事務局長として、私は日本の不良債権、不良資産を流動化するプログラムを作り、「金融再生トータルプラン」をとりまとめました。日本の金融、人間の身体に置き換えてみれば、血液に当たるお金の流れをよくしないといつか死んでしまいます。つまり、このまま放っておけば、日本経済に明日はないということです。したがって、これらのプランはこの臨時国会で一日も早く成案にしなければなりません。与野党の政争の材料にしている暇はありません。早くしなければ、もっと多くの混乱を巻き起こすことになります。

さらに金融問題を解決させたあと、年末にはどうしても所得税の減税、法人税の引き下げをおこなわなければなりません。所得税については、その累進構造の緩和が最大のポイントです。年収500万円から700万円にあがった人が、税率があがってしまうため、その手取りが一向に増えない。このような事態は解消していかなければダメなのです。また、年収3000万円以上の高収入を得る方には、国税、地方税あわせて、現在約65%もの税金が課せられています。これは国際水準としておかしい。やはり、最高税率は50%におさえるべきです。これがいまの世界の常識だと思います。

この税率の問題から波及して、相続税に関しても改正をするべきです。たとえば、商店街でそのお店の営業をあと20年間ほど、代がわりして続けていくことが約束できれば、相続税を免除してもいいのではないでしょうか。あるいは、その人が実際に住んでいる住居を父母から相続する場合、現在は500平米以下の土地について80%まで非課税となっていますが、やはり100坪=330平米くらいの土地までなら、相続税はゼロにする。こういう思い切った税制改革をやっていかなければなりません。
また社会が経済的に成功した者をほめたたえようという状況を作り、アメリカのビル・ゲイツ氏がマイクロソフト社を作ったように、想像力あふれる若者たちが、ベンチャー企業をおこし、がんばっていかれる税制を作らなければなりません。

経済的な国境がなくなり、今、世界はグローバル化しています。にもかかわらず、国、地方税をあわせてやく46%もある法人税。この世界的にみて高いといわれる税率を約40%までに引き下げないと、日本の企業はどんどん海外に拠点を移してしまいます。

山積みするこれらの問題を今年中に絶対に片づけなければならないと私は今、声を大にして言います。これまでも、金融、財政の方面で努力をしてまいりましたが、今はまさに正念場です。これからも、一層がんばってまいります。よろしくご支援、ご指導ください。

▲ このページのトップへ戻る